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第1回 お洒落にクールな減塩のすすめ日下 美穂 先生 日下医院院長/日本高血圧学会減塩委員会委員

塩は美味しいし、生きていくのに必要です。でもそれはほんのちょっぴり。

過剰な塩は体に毒です。日本人に一番多い病気は高血圧で4300万人。でも年を取って突然高血圧になるわけではありません。日本人の食習慣の弱点は塩分過剰なこと。主に塩や醤油や味噌で味付けをする日本人の習慣的な普通の味が実は塩分過剰で、私たちは子供の頃からずっとこれを続けているので、知らないうちに徐々に血管や腎臓が蝕まれ、積み重なって中年以後に高血圧になるのです。それが、脳卒中、寝たきり、認知症、心臓病、腎臓病を惹き起こし、最近、過剰な塩は胃がんや骨粗鬆症などの原因にもなることも分かってきました。

このままでは大事な子供たちも予備軍です。減塩はもはや高血圧患者さんだけのものではなく、日本人なら誰にでも、特に子どもや若い人たちにこそ必要です。三つ子の魂百まで、つまり子供の頃から減塩するとそれが普通の味になって、その習慣が生涯体を守ってくれます。何十年も前から言われ続けている減塩ですが、少子高齢化で医療費増大が大問題となった今こそ、日本の将来のために行動を起こすラストチャンスなのです。

目標とする1日の食塩摂取量は6g未満ですが、日本人は10~11gも摂っていて世界の中で最も多いクラスです。米国では日本より少なく1日8g程度ですが、1日3g減塩しただけで死亡数が減少し、年間医療費が2兆円削減できると試算されています。

特に若いお母さん方は子どもたちのために、そして自分や家族のために少しでも減塩を試みてください。私の経験では、既存のお料理を薄味にすると、物足りないと感じる人も多いので、新鮮な材料で出汁や酸味、ミルク、ハーブや香辛料などを巧みに使った、アイデアたっぷりのお母さん独自の新しい創作料理がお洒落でクールで美味しくて素敵だと思います。考えるのは楽しいですよ。過剰な塩味や油をそぎ落とす事こそ食の美学。

ただ、減塩したくても社会環境を変えなくてはなかなか減塩できません。なぜなら外食はほとんど高食塩。でも最近レストランで減塩メニューが増えました。市販の加工食品やコンビニ食品もほとんど塩分過剰ですが、最近食品産業でも減塩の塩やカップ麺など減塩商品が次々に販売される減塩ブームになりました。不快な後味もなく、喉も乾かず、すっきり美味しいのが特徴です。私たちは、このような市民の健康を配慮する、社会貢献の意識を持った会社の商品を後押ししていくことも大事です。

また呉市では既に始まっていますが、学校給食を減塩にする、特定健診で塩分測定を行うなどの社会制度も必要です。

減塩するだけで未来は大きく変わります。

さあ皆さん、楽しく、美味しくクールに減塩いたしましょう。

日下 美穂(くさか みほ)先生

日下医院院長/日本高血圧学会減塩委員会委員

日本の食の弱点である高塩食を改善し、国民病である高血圧や認知症などの生活習慣病を予防して医療費削減にも繋がるように、美味しく楽しくスマートな減塩を提唱。
呉市、広島市などの地域で多くの飲食店の協力のもと、減塩で低カロリーの美味しいお料理を提供する「こだわりのヘルシーグルメダイエットレストランin呉&広島」プロジェクト(http://healthy-lunch-kure.com/)を企画し活動中。
2012年「減塩サミットin呉2012」代表。2014年「減塩サミットin広島2014」実行委員長。NHK総合「サキどり」や「たけしの健康エンターテイメント! みんなの家庭の医学」などにも出演。近著に「3日間塩抜きダイエット」(宝島社)。